【コード進行とは?(コード進行の作り方)】どのような手順 ...
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理論的な知識の理解が不可欠
私はこれまでに、仕事で7000曲ほどのコード譜を制作してきました。
そのような経緯もあり、日頃からコード進行そのものに触れることやコード進行を理論的に解釈したり耳コピしたりすることを常に行っています。
こちらのページではそんな「コード進行マニア」である私の目線から、「コード進行」とは何か、そしてコード進行はどのように作られるものか、ということについて解説していきます。
また、記事の最後にはコード進行の例やおすすめのコード進行パターンについてもご紹介しています。
本ページの解説を読み通すことで、コード進行の成り立ちが理解できて、結果として自分でもコード進行が作れるようになっていくはずです。
※「コードとは何か?」という点については、以下のページをご確認ください。
2021.11.29【コード(和音)とは?】音楽で扱われている「コード」はどのように成り立っているか?を考える
目次はじめに「コード」の「進行」コード進行によって背景の響きを変えてストーリーを演出するコード進行構築の概要コード進行はルールに沿って組み立てられるコード進行構築のルールどのようにコード進行を組み立てるか「キー」→「ダイアトニックコード」→「基本的なコード進行」コード進行構築手順の例個性的なコード進行の構築理論的な知識の理解が不可欠コード進行の例・おすすめのコード進行パターンまとめ
はじめに
「コード」の「進行」
「コード進行」とは読んで字のごとく「コード」の「進行」のことで、「どのようにコードを進めていくか」ということを表した言葉です。
具体的には、あるひとつの「コード」=「和音(わおん)」が時間の経過と共にどんなコードに変わりどう展開していくかということを意味していて、「ここの部分のコード進行は……」というような言葉の使われ方をします。
checkそもそも「コード進行」という言葉は造語のようなもので、音楽用語の「和声(わせい)」という言葉の方がその意味を正しく言い表しています。
一節には、同じ意味を持つ英語の「ChordProgression」を直訳したことでこのような造語が生まれた、ともいわれています。
コード進行によって背景の響きを変えてストーリーを演出する
ポップス・ロックにおけるコードはメロディの背景のような存在であり、通常コードは曲の中で次々と変化していくため、それがこのページのテーマである「コード進行」を生み出します。
各コードには違った響きがあり、コードが変わることでことでリスナーはその響きの変化を感じることができます。
コードが変わると同じメロディでも聴こえ方が変わるもので、これはまさに背景が変わっているような状態だといえます。
「コード進行」というものを考える時、そこには響きの変化があり、そしてそれによって生まれる背景(ストーリー)の変化があることを理解しましょう。
コード進行構築の概要
コード進行はルールに沿って組み立てられる
コードは数え切れないほど存在しています。
そして、上記でお伝えしたように「コード進行」としてそれらをつないで展開させていく時、やみくもにコードが選ばれることはほぼ無く、それらは基本的なルールに沿って構築されることがほとんどです。
そのルールをある程度把握して一貫性を保ちながらコードを組み立てていくことで、はじめて音楽から心地良さが感じられるようになります。
checkまた、個性的なコード進行を生み出すためには、それらのルールを前提としてそこから外れるようなオリジナリティを盛り込むことが必要です。
コード進行構築のルール
上記で述べた「コード進行構築の基本的なルール」とは以下の二つです。
キー(調)
コードが持つ機能と基本的なコード進行
通常コード進行はあるひとつの「キー(調)」と、そのキーから導き出されるいくつかのコード(ダイアトニックコード)をもとに組み立てられます。
※「キー」について、詳しくは以下のページにて解説しています。
2022.06.27キー(音楽)について|キー=「中心音」と「まとまりのある音のグループ」を意味する言葉
どのようにコード進行を組み立てるか
「キー」→「ダイアトニックコード」→「基本的なコード進行」
既に述べた通り、コード進行構築の大まかな流れは「キーの確定」から始まります。
それにより使用できるコード(ダイアトニックコード等)が確定し、そのうえでそれらを活用した基本的なコード進行が確定します。
実際の曲におけるコード進行は、その「基本的なコード進行」を土台として作られていきます。
コード進行構築手順の例
下記はコード進行構築手順の例です。
1.キーの確定
まずコード進行を作るための前提としてキーを確定させます。
ここでは例として「キー=C(メジャー)」とします。
2.ダイアトニックコードの確定
キーを確定させることで、そのキーをもとにしたダイアトニックコードが確定します。
ここでの例は「キー=C」であるため、それをもとにした「C(メジャー)ダイアトニックコード」として
C,Dm,Em,F,G,Am,Bm-5
の7つのコードを導き出すことができます。
※ダイアトニックコードについて詳しくは以下のページをご確認ください。
2022.06.27ダイアトニックコードとスリーコード(概要や成り立ち、コードの役割などについて)
3.基本的なコード進行の確定
上記ページでもご説明している通りコードには機能があり、それらをもとにしたコード進行の最小単位のようなもの(カデンツ)がまとめられています。
▼「カデンツ」解説ページ
2021.08.19カデンツ(終止形)の詳細とポップス・ロック作曲への応用
そこから、ダイアトニックコードの中にある三つのコード(スリーコード)を使って以下のようなコード進行を作り上げることができます。
C→G→C
C→F→G→C
C→F→C
またこれらに「代理コード」の概念を加えると、さらに以下のようなコード進行も作りあげることができます。
C→G→Am
C→Dm→G→Am
C→Dm→Em
C→Em→Am→Dm→G
▼「代理コード」解説ページ
2021.10.14代理コードについて(マイナーコードをスリーコードのかわりに活用する)
上記はカデンツ三種を代理コードによって置き換えたものですが、これら以外にも考え方次第でいろいろなコード進行を想定することができるはずです。
ここまでの流れを通して、キーの範囲内で柔軟にコード進行を作り上げていくことができるようになります。
個性的なコード進行の構築
上記の手順を経て、そこからさらに個性的なコード進行を作るためにはオリジナリティを盛り込むことが求められます。
この「オリジナリティ」とは何かというと、それは上記でお伝えしたルールを乗り越えることです。
具体的には
キー=ダイアトニックコード以外のコード(ノンダイアトニックコード)を盛り込むこと
コードの機能を無視する
キーそのものを変える(転調)
などの方法が考えられます。
▼関連ページ
2021.10.14「ノンダイアトニックコード」の意味とその種類の解説(活用のルールやコード進行例等)
2021.10.14転調|その1–転調の概要(転調とは中心音と音のグループを変えること)と調の種類
理論的な知識の理解が不可欠
個性的なコード進行を作るにあたって「無計画にルールを乗り越えてしまえばいいのか?」といわれると決してそうではなくて、そこにも整合性のようなものが必要になります。
checkつまり、理論的な裏付けをもとに少しだけルールをはみ出すことではじめてそれが心地いい個性になるのです。
それを踏まえると、コード進行を上手に組み立てていけるようになるためにはやはり理論的知識の理解が欠かせません。
キーやコード、構成音やコード機能などに関する知識がしっかりと備わったうえで、それらを応用していくことができます。
音楽理論の学習について
以下のページでは、上記で述べた音楽理論を学ぶにあたり、「何を」「どのような順番で」学べばいいか、という点について解説しています。
2021.10.14コード進行を作れるようになるために理解しておくべき音楽理論|理論を知り筋道を立ててコード進行を組み立てる
コード進行の例・おすすめのコード進行パターン
ここまでの解説を通してコード進行のルールやそれをどのように作っていくべきかということがある程度ご理解いただけたかと思います。
そのうえで「では実際にどのようなコード進行が存在するのか?」という点があわせて気になるはずですが、以下のページではその実例としておすすめのコード進行を多数掲載しています。
2021.08.19コード進行パターン集(1)全20パターンシンプル構成からロック・ボサノバ風まで
2021.08.19コード進行パターン集(2)全20パターンビートルズ風コード、ブルース風コードなど
2021.08.19コード進行パターン集(3)全20パターンルート音の変化、テンションや分数コードによるジャズ風アプローチなど
2021.08.19コード進行パターン集(4)全20パターンマイナー系コード進行やAOR風のサウンドなど
2021.08.19コード進行パターン集(5)全20パターンクリシェラインのベース活用、ツーコードのシンプル構成など
2021.08.19コード進行パターン集(6)全20パターンディミニッシュコードやペダルポイントを活用した上級アプローチ
2021.08.19かっこいい!コード進行全10パターンロック等に使えるおすすめのコード進行
2021.10.14王道コード進行全10パターン作曲や演奏に活用できる定番のコード進行一覧
2021.08.19「悲しい」コード進行全10パターン切ない曲・哀愁のある曲などに使えるおすすめのコード進行
これらのコード進行はそのまま作曲や演奏に活用でき、「キー」とその解説をもとに成り立ちを理解すれば、それらを自分なりにアレンジすることもできるはずです。
コード進行の理解を深める意味で、あわせて参考にしてみて下さい。
まとめ
ここまで、コード進行とその構築のための基礎的な知識、コード進行の実例などについてご紹介してきました。
初心者のうちは、多彩なコード進行を自由に組み立てられる姿に憧れてしまうものです。
実例に沢山触れつつ、理論的理解を深めていくことで徐々に自分でもコード進行を構築できるようになっていくため、是非着実に習得していくよう取り組んでみて下さい。
良いコード進行を見つけられた時はすごく嬉しいものです
補足
以下のページでは、コード進行を理解するのに役立つ本についてまとめています。
2022.05.02コード進行本のおすすめ7選|コード進行を知りたい・理解したい・作れるようになりたい人のための本をご紹介します。
ポップス・ロック作曲の上達につながる「曲分析ガイドブック」について知る
2022.06.28「曲分析ガイドブック」のご紹介ページ
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内山敦支
ポップス・ロック専門の作曲の先生|16歳から作曲→20代ソロでインディーズ活動→30代で作曲教室開始→これまで100人以上に作曲を教えてきました|坂本龍一さんのラジオ「RADIOSAKAMOTO」にて作品オンエア|コード譜制作の実務6年で7000曲ほど|音楽制作の仕事も少々|曲分析大好き。
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